サードドア感想 成功って何?映画みたいな冒険を楽しめた

こんな分厚い本、久しぶりに読み切った〜!と思うくらいずっしりした重みのある本、サードドア を読みました。

読むのに2日かかりましたね…
でも飽きることなく読めたのは、内容が実話なのにとってもワクワクする冒険のようなお話だったからでしょうか。
自己啓発書でもビジネス本でもない、小説でもない。

18歳の大学生が著名人に成功についてインタビューしにいくために色んなことをする話なのですが…

感想ですがネタバレ箇所もあるかと思うので気になる方は読まないでくださいね。


まず無名でお金のない大学生が著名人にインタビューするなんて難しいわけです。
メールを送っても無視されるのが当たり前。

彼は、資金集めのために賞金のある有名クイズ番組に出るってところから行動力がすごい。
このクイズ番組に出演するためのオーディションや、優勝するための策を必死に考える心情が事細かに書かれていてひきこまれました。
ただなんとなく出場するだけではなく、運をコントロールしようとしてるように見えて。
悪戦苦闘っぷりがすごかったけど、この時点で彼がこの本を出せることになった資質を持っていたんだなぁと感じとれます。

のちにこの番組で優勝して資金を手に入れた話は、数々の著名な方の話として強力な自己紹介がわりの武器になり、飛び抜けた人になるにはそれなりの準備と行動、冒険が必要だということがわかります。

途中、数々の著名人が語る成功の秘訣をメモしながら読んでいた私に、打ち消し線を引く出来事が訪れました。
その時に気づいたのです。
成功の法則など決まってないのだと。

人によって言うことは違うし、必ずうまくいく成功方法などないのだと。
先駆者の真似をした時点で誰も興味を持たないと。

途中から、著者なりの考えもうまれてきます。それがサードドアという思想なのですが、経験から生まれたこの考えは素晴らしいものでした。

ファーストドアは正面入り口。行列に並んで入る入り口。
セカンドドアはVIP専用入り口。
そしてサードドアはいつだってそこにあるのに、誰も教えてくれない抜け道。

私が感銘を受けた部分はたくさんあるのですが、一番心にひっかかったのは、成功者のグレーな部分は140字じゃ語られないってところです。

「あなたのようになるにはどうしたらいいのか?」
成功者といわれる人たちは毎日のように聞かれているのかもしれません。

この本の著者も成功者のそばに付いて羨ましがられ、そう聞かれるシーンがあります。
このストーリーの始まりから見ている私は、そんなの一言で簡単には伝えられないな、と心から理解できます。

それから、スティーブジョブズと共にアップルを創業したウォズニアックについての話。
著者自身が幸せそうなウォズニアックと話していく中で、ウォズニアックよりスティーブジョブズの方が成功者だと誰が決められるのかと疑問を持つところも好きです。

有名だから成功じゃないこと、著名人ばかりがすごいわけじゃないこと、そんなことに著者と共に気づいていけるのです。

この世にある数々のインタビューというもので、本音で語られたものがいったいどれだけあるのだろうか。
名言探しをやめて、自分の頭で考えないといけない。そう思わせてくれました。
とはいえ、この本に散りばめられている言葉にはとても勇気をもらえます。
音楽家、作家、スポーツ選手、ラッパー、投資家…
同じ一人の人間として生きていて、自分なりのサードドアをみつけた人達。

この本を読んだら、「成功するための法則!」「成功する方法!」という本がうさんくさく見えてきます。映画になってほしいくらいおすすめの本なのでぜひ読んでみてください。

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